『オラたちに明日はない』

映画 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡

 

クレヨンしんちゃんの映画。五作目。

暗黒の2つのタマタマをめぐって、しんちゃん率いる野原一家とオカマたち、女刑事、ホステス、中村玉緒、そして阿修羅のごときアメリカ人(おそらく)がそれぞれの思惑で、熾烈な駆け引きを繰り広げていく‥‥‥。

 

f:id:ryouraisigmail:20190626223142j:plain

ヘクソン「野原ひろし、お前の頭の中は分かっている」


ハリウッド映画の脚本を下敷きに、そこにしんちゃん、野原一家が(そしてオカマたちも)投げ込まれたような設定。

 ヴィラン(悪役)のアメリカ人はシュワちゃんのような筋骨隆々のマッチョ。人間離れした超人的な強さ。この悪役の強さがまた作品をより深みを持たせている。ホステスを従え、極道の妻を彷彿とさせる中村玉緒も、いい味を出している。

 

この濃い悪党たちに対して、こちらの味方にもまた濃い人物設定でなければいけなかったのか、一見味方なのか敵なのか、子供にはすぐに判別できないような経験豊富そうな、オ・カ・マたち。(笑)オカマなのに皆坊主頭になっている。監督の原さんさりげないこだわりか。これもタマタマをより強調するため。タマユラ族とタマヨミ族という背景設定にも抜かりない。こまかいところまで芸が行き届いているし、このタマタマ大追跡がしんちゃん映画の一つの頂点だと、個人的にはおもっている。

 

 

f:id:ryouraisigmail:20190626223145j:plain

オカマのお店にいらっしゃい〜

 

 

 

本格的なアクション、ジャアクの復活、人間味溢れるキャラクターたち、名刺交換、お兄ちゃんとしての成長、家族の絆、色々なものを詰め込んでいるのに、散りばめられているギャグで笑いを取ることも忘れない。さらに歌もある。ジャンルでくくるのはむつかしい。大人になってようやく、全編を通して見れたのだけど、このころの映画って主題歌がしっかりあるんだね。オープニングでハッピーバスデーの曲が流れる。子どもと大人が一緒に楽しめる映画てそんなに多くない、そのなかでも特に素晴らしい。

 

f:id:ryouraisigmail:20190626231326j:plain

「ひまわりそこは‥」